小学生からのよくある質問@Q&A
わからない漢字(かんじ)は、先生に聞いたり、自分でしらべてください。
Q1なぜ、山梨では、「ブドウ」がたくさんとれるんですか?
A1気候、土地の条件が、適しているからです。
ブドウ栽培は、山梨では800年以上前から栽培されていたそうです。このため、特産品として古くから有名です。果物は、貴重品で、また、狭い農地でも高収入が可能だったため、養蚕(かいこ)からの転換も早く単位面積あたり高収入のブドウ栽培が発達しました。
適地適作と先人たちが築いた技術とブランドの力でたくさん取れるようになりました。
Q2ブドウ栽培(さいばい)に適(てき)した気候は?
A2生育期間中の雨が少なく、昼と夜の温度差のあるところです。
土地の条件は、品種により違いますが、
水はけが良く、砂質、岩場などあまり肥沃でないところです。
Q3一年間の作業を教えてください。
A3
@剪定(せんてい、冬に枝を90%近く切る。) | Fカサかけまたは、袋かけ(実を守るため) |
A誘引(ゆういん、せんていした枝をしばる。) | G摘心(枝の長さを1.2mに切りそろえる) |
B芽かき(よぶんな芽をつむ。) | H収穫 |
C新梢(しんしょう、新しく伸びた枝)の誘引 | I出荷、販売 |
D房作り(ふさづくり、房の切り詰め) | J肥料かけ |
E摘粒(てきりゅう、多すぎる粒をつむ) | K農薬散布(約10回から、15回) |
Q4ブドウのアメリカ系とヨーロッパ系の違いを教えてください。
A4ちょっと専門的ですが、種(しゅ)が違います。ブドウには、二つの種があります。
ヴィテス・ラブラスカ(米国系葡萄)とヴィテス・ヴィニフェラ(欧州系葡萄)です。
わかりにくい話ですが、ラブラスカとヴィニフェラと別の果物だと考えて下さい。
種が違うと交配できないのが普通ですが、両者は、交配できます。
ラブラスカは、雨が多くても病気に強く、糖度、品質も、あまり良くありません。
フォクス・フレーバー(きつねのにおい)が特徴です。デラウエアのように皮と実がはがれやすいです。
美味しいワインは作れません。
ヴィニフェラは、糖度、品質も高く、雨が多いと病気になりやすいです。
皮が薄く、離れにくく、皮ごと食べられます。
香りは、マスカット・フレーバー(ジャコウ)が代表的な香りです。
マスクメロンのマスクも香水のムスクも同じ香りです。
マスカットの香りは、ワイン向きではありませんが、一般的に美味しいワインが作れます。
種(しゅ)は、二つですが、品種を分けると全ての葡萄は、
米国種、欧州種、欧米雑種の三つに分けられます。
日本では、品質が高く、病気に強い品種の欧米雑種が多く作られています。
染色体の数から、2倍体、3倍体、4倍体品種と分けることもあります。
普通は2倍体ですが、変異を起こして4倍体になると葉や実が大きくなります。
巨峰の仲間は、4倍体です。
2倍体と4倍体を掛け合わせると3倍体になり、種がなくなります。
3倍体は、数が少なくキングデラ、サマーブラックなどがあります
ちなみに、種無しスイカも3倍体です。
2倍体と4倍体を掛け合わせて、3倍体のスイカの種を作るそうです。
ですから、種無しスイカの種をまくと種無しスイカになります。
Q5たねなしブドウの作り方は?
A5品種によって違います。
デラウエアについて説明します。ジベレリン(植物成長ホルモン)を利用します。
1回目は、満開の2週間前を予測し、葉数11枚ぐらいの時、100PPMで処理します。
2回目は、処理した房の満開から、10日から14日後ぐらいに100PPMで処理をします。
2回目は、適期が10日ぐらいと長いのですが、1回目は、3日ほどしかありません。
Q6なんで「ぶどう」というのですか?
A6ブドウの発祥は中央アジアといわれ、シルクロードより中国から日本へ来たといわれています。
中国語でもブドウは漢字で「葡萄」と書かれ、発音は「プータアオ」または「ブーダウ」と発音されており、これは元々ペルシャのフェルガーナ語(Bu−daw)からきていると思われます。
日本では、それが少しなまり「ブドウ」呼ばれるようになったようです。
(参考)
日本でのブドウの古い名前は、「えび」と言われていました。「えび」という名前の由来は、古くに薄紫色の染料の原料として利用されていた、「エビカズラ」という植物があり、ブドウも紫色をしていることから、「えび」と呼ばれていたようです。
Q7ブドウの皮の表面が白くなっているのは農薬でしょうか?
A7違います。
ブルーム(果紛)という白い粉です。糖度が上がると、表面を守るため内部から浮き出てきます。ブドウ以外の果物でも見ることが出来ます。新鮮さ、美味しさの目安にもなります。
Q8つる(枝)の中はどうなっているのですか?
A8つるを横に切ってみると、真ん中に「随(ずい)」と呼ばれるつるの芯になる部分、その周りに「木管(もくかん)」と呼ばれる水が流れる部分、その外側に「篩管(しかん)」とよばれる葉で作られた栄養分が流れる部分などがあります。
Q9つる(枝)は一日で何センチのびますか?
A9ブドウのつる(枝)は、4月〜5月に一番良く伸びます。ブドウの種類によっても伸び方は違いますが、その時期でおよそ1日に1cmくらい伸びると思われます。
Q10一番人気のあるブドウは何ですか?
A10一般的には、巨峰の仲間は、甘くて、大きくて、おいしく、また、種なしにすると食べやすく、とても人気が高いブドウです。
池川総合ブドウ園では、種無しのピオーネが一番人気が高いです。
Q11一番育てやすいブドウは何ですか?
A11病気、害虫につよく、たくさん実がつくぶどうが、育てやすいブドウになります。
マスカット・ベーリーA、デラウエア、スチューベンなどが、育てやすいブドウです。
Q12山梨のブドウ農家は何軒くらいですか?
A12山梨県のブドウ農家数は、およそ9900軒あります。
ちなみに山梨県のブドウ畑の面積は、およそ3775ha(およそ東京ドーム2900個分)になります。
Q13ブドウはいつごろから栽培されたのですか?
A13日本で一番古いブドウは、甲州ブドウといわれています。
この甲州ブドウは、日本では、鎌倉時代初期(今からおよそ800年前)に現在の勝沼町で栽培されていたのが始まりと言われています。江戸時代には入り(今からおよそ400年前)、ブドウだなを使った栽培が全国各地に広がり本格的な栽培が始まりました。
明治初期(今からおよそ140年前)に、デラウエアなども栽培され、山梨県では勝沼町を中心に、ブドウは重要な特産物として栽培が始まりました。
Q14なぜ、カサかけや袋かけをするのですか?
A14鳥や虫に食べられないようにするためと雨をあてないので、病気をふせぎます。
ガがブドウの汁を吸うこともあるので、袋にすることがあります。