葡萄通信 00/12/01

甲府上阿原第一農場の耕起作業の様子です。、トラクターで深さ10cmほどに設定しています。この1年間草生栽培で、刈り取られた麦や草(約10アールあたり3000Kg)や、剪定後、チッパーで細かく粉砕された枝も土中で有機質が分解され豊かな土となり、やがて、草やブドウになります。

その間、多くの生命に支えられ、形を変えながら、大いなる自然循環が続いて行くのです。肥料も農薬もあまり使わず、健康で美味しいブドウが生産されるのは、農場内循環と言う考え方が、栽培技術の中心になっているからです。

豊かな土地と光と水が、様々な生命を育み、全ての生命を生かし、包み込んでいてくれるのです。だから、とても清々しい気分にさせてくれます。

 


葡萄通信 00/11/16

今年は、完熟牛糞堆肥を2t積みトラックで、農場まで運び込み、更にトレーラーで農場内に小分けしスコップで撒布することにしました。労力も時間もかかる作業です。

土の状態がかなり良くなっているのと、同じ有機質を入れ続けない方が良いと言う考えから、ライ麦を蒔かないので作業自体は順調に進んでいます。

この完熟堆肥は、八代町の仲間が自分たちで2年かけて作ったので安心して使えます。(私は、堆肥作りに参加していません。)境川農場で約2000Kg撒布しますが、昨年は240Kgでしたから、かなりの量になります。

それでも、通常の3分の一程度です。また、完熟度が高いほど窒素成分など栄養面は、低くなり、より土に近い状態なります。

 


葡萄通信 00/10/28

収穫が終わり、施肥(肥料を施す)の季節になりました。最初に園内の草をモアで刈り取ります。写真で土が白く見えているところがありますが、蠣殻を粉砕した肥料をカルシウムと微量要素の補給、土の酸度を調節するために撒布しました。

「農業の基本は、土にある。」という信念から、生育期間中の観察と昨年までの施肥のデータ、これまでの経験を基に施肥設計を考えます。

予想通りに土の状態は良くなっています。より良い方向に導くためにどうするかが、私の仕事です。結果が悪ければ、原因を考え修正し、結果が良ければ同じ思考で対応します。それが柔軟な技術だと思います。

「栽培管理は、企業秘密だから公開したら皆が真似をするのではないですか。」と言われることがありますが、私が公開しているのは、単なる結果です。いつも同じ管理をするのならご指摘の通りですが、土、天気、品種、剪定の強さ、生育状態と何一つとして同じと言う事はありません。従ってこれまでも同じ施肥をしたことがないのです。来年の管理は、私もわかりません。低コストで、高収益を目指すとしか言えないのです。


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