葡萄通信99/11/26

麦を蒔いてから、約1ヶ月が経過しました。順調に生育しています。農場周辺の草刈も終わり、葉もだいぶ落ちてきました。枝の状態は、とても良く、剪定を待つばかりです。

剪定は、12月上旬に、デラウエアなどの収穫の早い品種から順次行います。昨年は、この時期の降雨量が少なく、かん水をしていましたが、今年は、その心配もなく本格的な冬を迎えられそうです。

この時期の乾燥が、その後の生育に大きな影響を与えます。麦が生育することで、土壌水分も一定に保たれ、その生育状態で、土壌の状態を推測できます。やがて、何度か刈り取られ、すべてが土に返るのです。ブドウはその循環サイクルの中で必要な養分を選択吸収していくと考えています。

 


葡萄通信99/10/22

収穫も無事終わり、中旬には、雨除けのビニールを取り外しました。3年目になりますが、来年も使えそうです。

バケツに入っているのは、土ではなく、完熟堆肥です。10アール当たり、たった240Kg、通常の1/5ほどで、化学肥料など、栄養になりそうなものは入れず、ライ麦と燕麦を蒔きます。詳しくは、栽培履歴でお知らせします。

草刈後に、約12種類の草が顔を出していました。これも土の状態を知るための手がかりになります。草種は、多ければ多いほど土壌が多様化していて、好ましいと考えています。視察に来た方が、「土がふわふわして柔らかいですね。」と言っていましたが、この程度では、とても満足できません。


葡萄通信99/08/27

 

この一ヶ月間に、かん水を一度と草刈を二度し、後はただ見守るだけでしたが、ようやく収穫を迎えます。予想通り、着色、品質も良く、糖度も高く順調に生育してくれました。昨年以上の成果が期待できそうです。

天候不順のせいで品質低下を懸念する栽培者も多い中で、これだけの結果が出せたことに感謝します。枝の状態から来年は、もっと良くなりそうです。

地道な土作りから減農薬に取り組み、品質を上げ、コストを下げることが可能であり、方向性の正しさが証明されたと同時に、究極のブドウ栽培の新たなスタート地点に立ったように思います。

 


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