雑感のコーナー・時々コラム

生きる道@

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生きる道(はじめに) 01/04/25
今日から新しく連載コラムを始める。題して「生きる道」。「日本の農業の行方」も終わっていないが、テーマを決めて話した方がいいし、もちろん、この二つのコラム以外に日々感じたことも織り交ぜながら、だらだらと続けるつもりだ。忙しくなるので、どこまで続くやら。時には、感想などをいただけると嬉しいのです・・・・・・。

生きる道1 01/04/26
もし、あなたが「生きる道」についてしっかりとした考え方を持っていると、かなりの困難にも立ち向かう事が出来るだろう。精神的に強く、前向きな生き方が誰にでも出来るはずだ。プラス思考とかメンタルトレーニングとか精神論でなく、確実な道を歩く事が可能だと考えている。
「生きる道」は、人として、どうあるべきかを問いかけ、自己を確立し、楽しく過ごすためのヒントになればと思う。

生きる道2 01/04/27
「明るく、清く、正しく」
これが我家の家訓である。尊敬する祖父の口癖であった。「明るく」は、くよくよせず、「清く」は、潔く、最後の「正しく」が、一番理解しにくいようだ。何を基準に「正しく」なのかが問題である。時代や社会にとって常に正義の基準は変わる。だが、普遍の価値というものもあるのではないだろうか。普遍の価値とは、個人の責任において、多くの人に、時間を経過した中で評価され、共有すべき価値観と考えている。つまり、時には、時代背景から、理解されない正義もあるだろうし、その逆に、個人の利益を導くような事は、常に正義として成り立たないだろう。正義を貫くには、それなりの信念を持たねばならない。

生きる道3 01/04/28
「世のため、人のため」
個人の利益を優先しないとは、「世のため、人のため」に尽くすという事である。この世に生を受けること自体が、ある意味で奇跡であり、また、必然でもある。生命の存在が、必然だとすると自己の利益のために存在する事など有り得ないし、生命の本質が、その連続性にあるとすると、一定の役割を果たすために生命は、存在するとも考えられる。それが、「他のために存在する」という事である。「他のために存在する」ことこそ、実は、「自らが存在している。」という事実の証明になると考えられるのである。これが、愛の本質でもある。

生きる道4 01/04/29
「心は通ずる」
心を以って、心に通ず。誠意は、伝わる物である。自己の利益を離れ、愛を以って接すれば、やがては、お互いの心と心が触れ合う。心は、己と相手の移し鏡である。自らを信じ、自らの心を開くことで、初めて相手の心も開き、共鳴するのである。

生きる道5 01/04/30
「完全を求めない」
理想は、理想、夢は夢、志を持ち努力を重ねるのは、天命である。確かに、結果だけで全てを判断されるがちであるが、「結果より過程」何を為そうとしたかが重要である。一歩間違うと、負け犬の遠吠えに聞こえるかもしれないが、「完全を求めない」が「完全を求める」心を忘れてはならない。

生きる道6 01/05/02
「足るを知る」
欲望は限りない。限りない欲望が、情熱となり、その結果、進歩がある。個人が消費する欲望は、物でも心でも限界がある。行き過ぎた欲望は、やがて破綻する。バブル経済の顛末とよく似ている。上を見れば切りがない。在る物で満足すると言うのが、「足るを知る」つまり、身の程を知る。人間は、平均的に平等ではない。人それぞれである。それぞれの人が足るを知れば、自己が確立され不平等はなくなる。

生きる道7 01/05/03
「我が道を行く」
Going My Way.孤高の道を行く。多くの人に理解され、支援されての道程は、安易な道になる。孤高の道を行くには、困難や中傷も伴ない苦難の連続となるだろう。やがて、少しずつ理解もされ、評価される時も来るだろう。生きている内に、名声を手に入れるために、突き進むのではなく、己を信じながら、果てしなく歩き続けることで道は開かれて行くのだろう。試練は、その人のためにある。

生きる道8 01/05/04
「重宝がられる人間になれ」
重宝(ちょうほう)がらえるとは、便利に人様に使っていただくという意味である。気安く物を頼まれたり、頼まれたら、嫌な顔をせず進んでやりなさい。信頼され、頼りにされたら、骨身を惜しまず出来る限りの事をさせて頂きなさい。これは、祖父、巽(たつみ)の言葉である。誰にでも出来る事を手助けするのは当然で、その人にしかできない事は、相手の意を汲んで力になりなさい。私は、どちらからと言うと簡単な事を進んでやるが苦手である。もっと年を重ね、ゆとりが出来たらこういう心境になりたいものである。

生きる道9 01/05/05
「人間だから話せば分る」
祖父は、非暴力の人であった。牛や馬は、言って分らなければ、叩けばいい。人間が家畜や動物と違うのは、叩かなくとも、言葉で理解できる所である。話して分らないのは、家畜同然、最初から暴力に訴える人も、人でなしである。暴力の虚しさと、言葉の重みをあらためて考えたくなる。人間の尊厳も、こんな簡単な言葉で伝えることが出来る。また、子供も同じ人間であり、個として互いに尊重すべきだとも言えるだろう。

生きる道10 01/05/08
「楽あれば苦あり」
苦も楽も同じだけあるとしたら、苦で始まり苦で終わるよりも楽から始めたい。人生を「生」が始まりで、「死」が終わりとすると生は最大の「楽」で、死は最大の「苦」であると言えるだろう。生命が、永遠に続くエネルギー体とするとどちらが先でも構わないが、肉体を持っている間は、楽をしてからこそ、どんな苦も乗り越えられるのだと思う。苦が優先すると、どうしても心が卑しくなるようである。

生きる道11 01/05/09
「みんなも良かったり、自分も良かったり」
祖父の言葉である。「自分も良かったり、みんなも良かったり」では、自分だけ良く、他の人まで良くはならない。
「みんなだけ良く」とは、偽善である。先ず、多数の利益を考え、個人の利益、自己の利益を考える。自分にも多少の利益がなければ、多数の利益は有り得ないし、人を動かす事も出来ない。
ただ、多くの場合、みんなには、良くても、自分にはあまり良い事はないと笑いながら話していた。

生きる道12 01/05/10
「優先順位をつける」
何か問題が起きた時、「優先順位をつける」ことで、対応する。何処まで譲れるのか、何処が最低ラインか、何が一番大切かを考え優先順位をつけることで速やかな対応が出来る。
私にとっての優先順位の第一位は、「生きる道」である。つまり、人間の尊厳であり、ポリシーである。

生きる道13 01/05/11
「嫌な事は、先にする」
面倒な事や煩わしい事は、気が進まないので、どうしても対応が遅れがちになる。多くの問題は、すぐに対処しなくても何とか過ごせるので、いたずらに時を重ね、その間の損失は大きくなり、問題は、更に複雑になってしまう。
だから、すこしでも嫌だなと感じた事柄ほど積極的に取り組み、早く解決しようと心掛けている。

生きる道14 01/05/14
「試練は、神様からの贈り物」
順調に物事が運ぶと言うのは、むしろ稀なことで、時として予期せぬ事が起こるものである。試練に対して立ち向かう姿勢は、大切かもしれないが、敵対したり、解決を急ぐ必要はない。
「試練は、神様からの贈り物」であるから、神様から与えられたチャンスだと思い心から感謝する。試練は、乗り越えられるからこそ与えられたのである。誰でも解決でき得る試練しか与えられないし、乗り越えて少しずつ自信が持てるようになる。試練や苦労が人格を高めるのである。

生きる道15 01/05/15
「流れに乗る」
しっかりとした意思を持っていれば、流れに身を任すのがいい。自己を持たない人が流れに乗ると、ロクな事がない。自分では、流れに乗っているつもりでも、流れに乗っていないからである。自己を持ち、利己を否定し、大志を持てれば、それだけでストレスと無縁の生き方が出来るだろう。流れに乗るという事は、多数の幸福のため、普遍の真理に基づいた大きな流れに乗るという意味である。

生きる道16 01/05/19
「死を意識する」
死を見つめずに生きるのは、意味の無いことである。死を直視してこそ生の本質に触れ、生きる意味を与えられる。生あるもの全てが、やがて死を迎える。死を恐れて生きることは、生の本質から逃れるのと同じである。
生命は、永遠かもしれないが、肉体は確実に衰え滅びて行く。形は無くとも、残る何かのために生かされている。

生きる道17 01/05/24
「嫉まず、恨まず、蔑まず」
「ねたみ、うらみ、さげすみ」などの感情を持つなとは言わない。こうしたネガティブな感情を素直に受入れた上で、一歩引いて考えてみよう。その先に何があるというのか。嫉み、恨み、蔑めば、そうした感情は相手に伝わる前に、自分の心の中にこそ存在している事に気が付くだろう。
いつかは、消えて行く感情に心を支配されていては、すぐ近くにある幸運さえも見失うものである。

生きる道18 01/05/26
「気の合わない相手の傍には、近寄らない。」
皆に好かれようとすると、無理があり、人間関係で頭を悩ます事もあるだろう。誰からも好かれる人間は、理想的であるが、非現実的でもある。皆違っているからこそ、お互いを尊重し、それぞれのカテゴリーで生きていかれるのである。心を閉ざしているの人の心を開かせるのは、容易ではない。むしろ、なるべく近付かないのが一番良い。

生きる道19 01/05/29
「世の中に無駄なものは無い。」
当たり前のようで、実感のない言葉である。無駄な物ってありそうだが、無いのである。もし、無駄な物があるとしたら、無駄であると言う概念を示すため存在しているのだから、無駄では、なくなってしまう。
自らに与えられている物に感謝する気持ちがあれば、すぐに気づくはずである。

生きる道20 01/05/30
「楽しくやろう。」
物事に真剣に打ち込む時もある。歯を食い縛って、やらなければならない事もある。
嫌な事や降って湧いた困難に、時には苛立ち、やがて、虚しさを感じる時がある。肩肘張ってがんばってみても、結果は、それほど変わらない事の方がむしろ多いようでもある。
仕事でも遊びでも、楽しくやろう。力を抜いて、楽しく。とにかく、楽しくやろう。

生きる道21 01/06/03
「なりたい者にしかなれない」
夢を持ち、目標を定め、努力していても、人は、なりたい者になれるとは限らない。どういうふうに、なりたいか、願わなければ、なりようもない。こうなりたいと願えば必ず、なれる可能性がある。最初から無理だと諦めるのは、自分の弱さであり、夢の方から、決してあなたを見捨てることはない。

生きる道22 01/06/12
「4人以上集まると個性を失う。」
群集は、愚かである。4人以上集まると個性を失い、暴走する。個を持たない人たちは、集団の意志にコントロールされやすくなる。個人主義が徹底されたなら、集団に属さないか、集団の中でも個性を失わないだろう。

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